2022/11/09

SCHECTER All Walnut ST Type'1994

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このブログで紹介していないギターがありました。懐かしめのシェクターです。

前の記事で触れたDTM作業でストラトキャスターのハーフトーンの音が必要となって、楽器庫から探し出してきた個体です。以前から、普段の私は、ギターで遊ぶ時はテレキャスターを使っていて、ストラトはあまり用事がありません。この個体は20年程前に地元の小さな楽器店で新品で入手した長期在庫品だったのですが、入手後も殆ど弾くことはなく現在も新品同様です。元々はブラス製の金色のPGが付いていました。弾きまくると表面のクリアーが剥げて錆びてくると言われているPGで、もったいなくて弾けなくなるよりは・・・と考えて、入手直後にべっ甲柄のPGに交換しました。・・・それでも、弾かず仕舞です。

音については、ウォルナットらしく生音は爽快なもの。ライン上の音はモンスタートーンPUの個性が立ちます。ミッドが濃い・・という感じでしょうか。ライン乗りはとても良いです。外側のトーンポットがスイッチとなっていて、ローカットされた音にもなり多彩な音種が使えます。でも、私の場合、DTMの場合は後処理することから使うことはありません。

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PGは交換した後も大切に保管しています。今やシェクターのブラスPGは貴重品でしょう。このPGは将来のリプレイス用に同じ型のものを所有しています。このギターを入手した楽器店で、ギターと共に陳列されていたもので、同時に購入したのです。自宅の部屋の飾りになっています。私と同じ、その世代の方々には懐かしいものですよね。

この後、PGを元々のブラスへ戻し、ギターをケースに仕舞いました。

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2022/01/01

Vesta Graham VG-1500'1979

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明けましておめでとうございます。このブログは近年更新することが少なくなっておりますが、ボチボチやって行こうと考えております。本年もよろしくお願いします。近況は相変わらず変化ありません。新年早々、私個人的にぶったまげたことは今年、バンドのTULIPが再結成するとのニュースです。私は2012年を最後にTULIP系アーティストから関心が離れてしまっていますが、嬉しかったのでチケットの抽選に申し込みました。当たらなくてもいいという気持ち半分。半年も先のことなので、コロナが収まっていて欲しいという祈りを込めて。私の新年の最初の作業はTULIPのチケット(抽選)申し込みとなりました。

今回のギターは、私のTULIPと言えばギブソンES335。セミアコ繋がりでVESTA GRAHAM VG-1500を取り上げます。
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VESTA GRAHAMについては、私なんぞが説明するのはおこがましいことですが、
楽器業界では重鎮とされる椎野秀聰氏がESP創設後に立ち上げた椎野楽器設計事務所のブランドで、ブランドの展開としてはPA関係がVESTA FIRE、後にはDJ系装置で有名なVESTAXに続きます。話を戻しまして、このVGとTULIPを無理矢理にこじつけるなら、ESPのTORROCCO。TORROCCOはTULIPの安部さんが1980年~81年の短期間に ステージ上でES335と併用していたモデルでした。TORROCCOは椎野秀聰氏のデザインとのことで、VESTA GRAHAMにも雰囲気が踏襲されている。Fホールのカタチだけ・・・とも言えなくもないのですが。私がVGを入手したのは20年程前。当時、TORROCCOを探していて見つけることができず、これで妥協したという。旅先の楽器店で入手しました。
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このモデルの説明をすると、1979~80年にはVESTA GRAHAMのセミアコ(センターブロック付)は2グレードあり、VGD-1500とVGD-1000、VGC-1000。VGDはマホガニーボディ。VGCはメイプルボディ。グレードの違いは、1500番はマホガニのソリッド(と言っても、裏面に薄板で別板が貼ってある。主材がマホの実質2プライ)ボディ。1000番は合板でFホールにセルが巻かれている。1500番の場合はマホガニーボディのみであるため、カタログ上ではVGD-1500としながらも、ラベルにはVG-1500と略記されている(こともある)。今でも、新品で買えるなら(もう、いらないけど)、私はVGC-1000を選ぶと思う。セミアコなので取り扱いに神経を使わなくて済む合板がいい。
この個体のシリアル番号はラベルに#105845。指板エンドに#794040。
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上の写真でチラリと見えるピックガードは自家製です。入手時にピックガードがついて無かったために、自分の67年の335から型をとって作ったものです。いまさらながら、塩ビで作り直したいところです。
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ペグはグローバー。”PAT PEND"の刻印付き。1979年。私の歴史認識を覆す謎のグローバーです。こういうのもあったのでしょう。
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セル巻きは丁寧に施されています。
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上にも触れましたが、ピックガードを自作したこと。そして、少しだけいじっています。状態はほとんど弾かれた形跡の無い超美品だったのですが、自分のES335のサブ用の目的で入手したこともあり、音色やルックスを揃えたかった。PUは元々GOTOH PAFだったものをGIBSONの57クラシックに交換。中身の配線やポットも総交換。コンデンサはスプラグのブラックビューティ。ツマミをゴールドのハットノブだったのですが、黒に変えています。結局、綺麗すぎて勿体なくて弾くことはなく、その後、私自身がギターからベースに鞍替えしたりして、そのまま、超美品で20年間ケースで眠らせてしまっています。
この個体のボディカラーは珍しいのかも。現在、ネットでぐぐるとVGの写真はそこそこの数がヒットするのですが、これと同じような色柄はありません。

出音については、当時の日本製セミアコらしい明瞭な生音です。音も大きく、居間でジャカジャカ弾くには丁度良い音量。アンプからの音につしては、既にPUを変えてしまっているので、20年前の音を思い出せばGOTOH PAFはよく言えば温もりやダイナミクス感のある、悪く言えばブーミーな音でした。ジャズ的な音だったといえるのかもしれません。生音と出力時の音の印象が異なっていて、当時の私はこれが嫌で57クラシックに交換したと記憶しています。ギブソンの(セスラバー式)ハムバッカーPUには高出力よりも、艶やツーンとした味成分が、私の重要ポイントでありまして、そういう向きには20年前(2000年代初頭)のリプレイスメントPUはギブソンの57クラシックかリンディあたりが最右翼だったのではないかと記憶しています。

久しぶりにアンプに音出ししてみましたよ。う~ん、普通。20年前の自分なりの味付けで、とにかく思うところが多いのですが。ギターの素性としてはネックの安定感は国産らしいし、カタチが許されるなら、ゆっくりと長く連れ添ってみてもいいギターだと思います。自分は今では人前でギターを弾く機会が少なくなりました。でも、稀にそんな時があってセミアコ弾きたくなった時、気取って335を持ち出すより、こいつみたいのがいいような気がするのです。

今回はVESTA GRAHAMを紹介しました。今年は数本所有しているセミアコ系ギターを、忘れた頃にボチボチと紹介してみたいと考えています。

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2021/08/08

MOON AT-TERRY’1992~3?

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このブログの更新は久しぶりとなってしまいました。最近は特段忙しい訳でもなく、自分なりにステイホームを徹底していて、職場に居るか、寝ているか、DTMで音楽作っているか、晩酌しているか、庭の芝を刈っているかのどれかで、これといったネタがないのです。このブログの主題は、音楽のつもり。最近の私の音楽活動はDTMだけとなっていて、こいつは録り始めると答えのない厄介者。そんな訳で、基本は暇なのですが、結構、暇じゃない感じです。宅録でギターを弾いている時間が増えています。
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前回に続き、今回も楽器庫にあるエレキギターを紹介します。MOONの”AT-TERRY”。1990年代の製品です。92~3年頃の個体じゃないかと思います。この個体は2005年頃に中古で入手したもの。当時の私はレスポールとテレキャスに夢中だった時期で、これを見かけてモデル名も判らないまま、思わず持って帰ってしまった。珍しいモデルかと思ったのですが、調べてみるとMOONでは定番のもののようです。お店で弾いて気に入った訳ですが、自宅で弾いても良い音がします。でもね、弾いていてなんだかモヤ~とするのは、こいつのカッコかと思います。トグルスイッチの場所はそこじゃなくてよかったんじゃないかとか。とにかく、これといったクセはなくてとてもいいギターです。
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このモデルの特徴はセットネックと薄いボディ。ネックジョイントの部分を中心に良く響く。ボディはレスポールのような、メイプルトップ、マホバック(ただし2ピース)の構成。トップのメイプルは杢のあるハードロックメイプルで素敵。ネックはメイプル、指板エボニー。指板のラウンドはGIBSON族。薄いボディの効果で、音はカカラ~ンと倍音綺麗で大きめ。出音は軽めです。レスポールのようなガツンとしたパンチには乏しい。パンチの感じはGIBSON SGっぽい。テレ寄りの視点では甘口。宅録では甘くて軽いこのギターの音は使い易い。PUはバルトリーニで、ルックス的にはどうか・・・と思うものの、音のライン乗りがとてもいいように感じます。タップ時の音も捨てられていなくて使える。自録ではこの一本で持ち替えずに便利。バルトリーニは落ち着いた音で、DTMでの後処理には向いた音だと思います。
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入手後、元々のゴールドパーツが嫌でクロームの汎用部品に交換しました。ペグはもともとはロック式のもの(クロコダイル?)、ボリューム等のツマミは金メッキの金属のものでした。ツマミは国産GIBSONコピーのレスポールみたいにハットノブにしています。
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AT-TERRYを私なりに総括すると、フェンダースケールのレスポールみたいなテレキャスタータイプで、あく抜き済のGIBSON SG・・・ということになります。とても使い勝手のよいモデルです。

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2021/05/14

IBANEZ AR112'1983

IBANEZ AR112です。このギターも手に入れてからしばらく経ちます。20年とは言わないけれども15年以上。私にとって、IBANEZのARの印象というと、当時のニューミュージックのバンドのステージが、バブル景気で一層商業的な香りを放った時期において、上手い位置関係でギブソンレスポールみたいな存在感を醸し出した、国産ブランドの立役者の印象。私としては、自分の甘酸っぱい思い出を伴って、悪いギターじゃない。特に「スーパー58」と名付けられていたPUの出音は好き。このPUは、レスポールのように300kや500KΩのポットで普通に使うと実力を発揮するヤツだと思います。

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AR112は、ご覧の通り12弦ギター。私と同世代の人にとっては大ヒット曲の「ルビーの指輪」を連想することでしょう。「ルビーの指輪」の1981年の頃はオフコースの鈴木さん人気(白色のAR550的なEQ内臓12弦モデル・・市販されていない)も手伝って、多少は売れたようで、現在見かける(ことは少ないだろうけれども)AR112の多くは、1982年までのブリッジやコントロールツマミが旧タイプのもの。私はそこに拘っていないため、1983年以降の新型(?!)ブリッジやツマミのタイプで、ちょっとレアなのです。

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このギターは自作曲の録音で12弦ギターのサウンドが欲しくて入手したものです。ARじゃなくても良かったのですが、入手当時はARに夢中だったので、この個体を見つけて入手しました。とは言っても、1度2度、自宅で弾いただけで保管状態。入手した時の状態を維持しています。

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このブリッジは1983年頃の仕様変更で採用されたものです。12弦の専用品ではなくて、6弦ARと同じ。サドルに2本ずつ溝切しているものですね。個人的にイントネーションの問題は感じません。テールピースは12弦専用品です。

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フジゲンの1983年1月製造品です。
現在では、12弦のエレキギターってあまり使われてないように思うので、今更弾くと面白いかも・・なんて思います。12弦というとリッケンの音が有名ですよね・・・。リッケンは主弦と副弦の位置関係が違うので、当然AR112にはビートルズ風の音はありません。暑苦しく弾いても、清涼感高めなのです。

余談ですが、我が家族は、このAR112を指して「ゲジゲジ・バタヤン」と呼んでいます。

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2021/05/13

Ibanez RG750'1987

ギターの話題を続けます。今回はIBANEZ RG750。1987年製。長寿のRGモデルとしては初期の頃の個体ですね。

IBANEZのギターは何本か所有しているのですが、このブログ的にTULIP宣言してしまった後のため、どちらかというとオフコース的なARではなくて、RGから触れます。このRG750の時期はTULIPというよりはTHE ALWAYSです。RGシリーズといえば当時大流行のフロイトローズを、比較的身近な価格帯で搭載していたモデルの一つというイメージで、ブルージィ~な味わいとか、そんな世界ではなくて、フロイトローズの音のありきたりなヘビメタご用達のギターだという印象を私は持っています。
TULIPに話を寄せると、1989年の解散ツアーで安部、姫野のコンビが参加して嬉しかった。その時期に安部俊幸氏が主に使っていたギターがRGでした。氏の演奏には以前からアーミングというイメージがなかったため、私としては、このギターの登用はファンなりに躊躇ったものです。TULIPの解散ツアーでは、ブライアンメイが着ていそうな舞台衣装で、こんな白いRGを弾いていたのです。

私が所有している個体は、2000年代に入ってから、やっとボロボロのRG750を見つけて工房でフルレストアしてもらったものです。当時、ヘビメタブームで売れに売れたであろうはずのRGは、RG750の初期型に限ってはなかなか無くて苦労しました。
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IBANEZのロゴがデカい。その当時は、このヘッドの佇まいには抵抗があったものなのですが、今、久しぶりに見るとカッコいい。アジャカバのカタチもいい。スキのないデザインだと感じます。私の60歳間近の年齢でこれが似合うかといえば微妙なところですが。

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私の音楽活動はバンドというよりもDTMにあります(時折、生演奏していますが)。コロナ禍の現在では、休日には家で録音していることが多くて、ギターの出番も増えます。自作の曲の間奏には80年代風のギターソロが欲しい・・・。そうなってくるとフロイトローズを試してみたくなる。フロイトローズ・ギターといえば、いろいろな凄腕のプレイヤーが浮かびますが、私はブラッド・ギルス(ナイトレンジャー)がとても好きだった。なので、今、いまさらながら、彼のようなフレーズが弾きたくなると、このギターでアームの練習をしています。私の所有ギターの中で、フロイトローズが付いているヤツはこの1本だけなのです。

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当時、IBANEZがディマジオと共同開発とされたピックアップ。ピックアップ表面にプリントされている文字が生産時期で違っているようで、「IBZ USA」のこの初期型のロゴが、私にはたまらないのです。ただし、見た目以外の、出音については、フロントやリアのハムバッカーの音は私の好みではなくて、センターの一発で事足りている感じです。

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ヘッドの裏にはレストアを担当した工房のロゴとクラフトマンのサインを入れてもらっています。レストアから20年近く経ちますが、ネックの状態は狂いなく安定しています。

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2021/04/22

GIBSON SG standard'1983&1985

このブログで以前、2014年12月にGIBSON SG standardとして1982年製の個体を紹介しました。今回は1983年と1984年を紹介します。個人的にSGの王道のカタチは実はちょっと苦手なのですが、ノーリンの後半期にあったトグルスイッチが妙な場所にある、普通のSGを見慣れた人にはとてもカッコイイとはいえないようなサイドジャック型のSGは例外的にとても好きで、ワインレッド色だと特に好きで、好きすぎて似たようなものを3本所有しています。

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GIBSON SG standard'1983

1998年に入手した個体です。この個体については、以前の記事で紹介した1982年モデルでは、少し改造(PU交換)してしまったことを反省して、フルオリジナルで保管しています。当初から状態が良かったのですが、今でもそのままです。1982年と比較すると、大きな仕様の変化はないのですが、トグルスイッチのノブの色が黒色(前のオーナーが交換した可能性があります)であること、ボディ材がセンター継ぎの2ピース(82年は1ピース)となっていることくらいです。指板の材の質感は真っ黒なローズで良い感じです。PUはスーパーハムバッカーです。

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ところで、この時代のSGの変遷は複雑で、当時、日本ギブソンの賞味期限切れのカタログを眺めて夢に馳せていた私にとっては正直なところ訳が判らない。今、私ながらこの時代のSGを整理すると、1979年の”THE SG(スタンダードはウォルナット、デラックスはマホガニー)”に端を発した、妙な場所(弾いてみると”絶妙な場所”と思う)にあるトグルスイッチとサイドジャックのスタイルは、1980年のウォルナット版のスタンダード仕様にあったファイアーロゴ(だっけか)を切っ掛けに、指板をエボニーからローズに変え、ウォルナット材をマホガニーに乗り換え1981年にSGスタンダードという名前を陣取ったのです。グルーン本によるとTHE SGデラックスは1984年まで継続したらしい。この時期のデラックスの存在が混乱させます。現在のギブソンギターには私は明るくないけれども、今でもあるであろうSG62リイッシューの登場は1986年。今回のTHE SGスタイルのSGスタンダードは1983年にスモールブロックのポジションマークをレスポールのような逆台形に変え、1987年まで継続し終了。何故か1989年から再発、1990年にサイドジャックSGは完結します。

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この83年の個体は2月~3月に作られたもので、ポジションマークがまだスモールブロックです。この後にレスポール式の逆台形型に替わるのだろうと思います。ネックはマホの3ピース。ペグはゴトーのロトマチック。

GIBSON SG standard'1985

1985年というとジャスコビッツがノーリンを買収した年。この時期は私は学生で、国内ではバンドブームだし、ギブソンが何で元気がないのか実感できませんでした。学生風情にはギブソンは高嶺の花だった訳で、もともと、ギブソン自体が実感できる対象ではなかったのですが。あとね、フェンダーも。
この個体の入手年は2006~7年位でした。サイドジャックSGで逆台形インレイをもったものは、日本にはあまり入っていないのではないかと思います。なんとなくそんな気がします。特に83~85年は。私の興味はスモールブロックのタイプで、この個体にはピンときませんでした。しかし、お店で投げ売られていて気の毒だったこと、年代的にノーリンギブソン最末期(もしくはジャスコビッツ買収時点)の資料的な価値があるかもしれぬ考え入手したものです。正直なところ、現在でも、そんな資料的価値は感じられない・・。この個体のネックは82年、83年の3ピースとは異なり、1ピースに回帰しています。でも、この個体はいわゆるUSメイドの程よいイイ加減さが希薄で、特にこの時期のナッシュビル工場は日本製のギターみたいで楽器として何の問題もなし。日本製みたいとは言っても、塗装トップのラッカーの手触り感や全体的な風合いはギブソンならではの部分はあります。

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指板のローズは明るい色目で、ちょっとどうかな・・・という感じです。ポジションマークは1983年から採用されたレスポールタイプの逆台形型。

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PUはTIM SHOW PAF。クロームメッキです。艶やかなスーパーハムバッカーに比べると普通のハムバッカーの音に私は感じます。57クラシックよりもザラっとしています。このあたりの感じ方はアンプによって変わるところなのでしょう。最近の私は、ギターを弾く事はDTM作業の時ばかりです。オーディオインターフェースに直挿し、音色はアプリのアンプシミュレーターや諸々のプラグインで作り込みます。気持ちの良い音で演奏する・・・というよりも、聴き心地の良い音に後加工する方向に重点を置くようになりました。いかにも平均的なギブソンのハムバッカーの音がする、SHOW PAFはなかなか優れた存在です。

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ネックは1ピース。ペグはクルーソンスタイルのブッシュ式じゃないヤツです。

85年の個体には当時の保証書やカードがケース内に残っていました。
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マップギターが懐かしいですね。座って弾くと、太股に当たって痛かったりするのかしら。

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シリアルは1985年の267日目、ナッシュビル工場の26本目です。267日というと9月末位でしょうか。

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サイドジャックSGでした。久しぶりに倉庫から引っ張り出してきた訳ですけれども、とにかくSGはボディが薄くて弾きやすい。マホガニーのボディはレスポールや335と違って倍音感が整理されていて深みを感じる。特にDTMでは素顔のままで録音していても、編集加工後の様子が想像しやすい。トグルスイッチの位置は、うっかり触って動かしてしまうような場所にないのでとても安心できます。ギブソンの音はノーリン末期のモデルであっても、やはりギブソンなのだと改めて感じました。

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2021/03/27

OVATION Patriot Bicentennial'1976

この頃の私は老いのためか、懐古趣味が発症して、昔使っていたPCのハードディスクの記録を眺め直すようなことをしています。したらばですね、当時作っていた宅録のデータが出てくる出てくる・・・。自分の(姿写真ならばともかく)、演奏や声はさすがに恥ずやら甘酸っぱいやら。チューリップのことについては前のエントリーで紹介しましたが、当時(20年前)は彼らの楽曲の完コピに凝っていて、今更そんな作品を聴くと、まだまだな感じがします。
当時の私の技術ではヤマハのXG-WORKSで打ち込みのオケを作った後、HD-MTRで自分で弾ける楽器や歌を重ねていく方法でした。音声の修正なんてなかったらから雑。よく言えば生っぽい。ミックスがMTR任せ各パートのため、分離が悪くて全体の音圧が出ていない・・・、これは今更ながら直さなくては。MTRからPCにコピーしていた各トラックのWAVを一部見つけたので、DAW環境で20年前の演奏に現在の音を加えたり・・といったタイムマシーンのような作業を始めてみました。このところ、ギターの蔵出しを始めたので、弾き直しには丁度良い状況です。

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今回はOVATION Patriotを紹介します。チューリップのファンの間では通称「オベーションの建国200年」。チューリップの建国200年モデルは、当時のファンクラブ会報によると、1983秋-84春の”I dream”ツアーの札幌厚生年金会館(1983/11/11)の舞台上で落として壊れ、客席に投げたら観衆により木端微塵になったのだそう。怖い・・・。 そんなことはともかく、私が物心ついて初めてオベーションのギターを見たのが彼らの建国200年モデルでした。

チューリップの当時の音源には、オベーション特有の(初期のピエゾPUのエレアコにありがちな)ジャラジャラした音が多くあり、サウンドの再現には重要な部分です。とは言え、サウンド的に、オベーションの他のモデルに比べて特徴があるものではないため、何でもよかったのです。この個体は1990年代半ばに、中古屋で偶然見つけたもので、めちゃくちゃ探した・・というものではないのですが、いずれオベーションを手に入れるなら、ナツメグ色のやつが欲しかったので、どうせならコレだ!と、心(財布)に鞭を打って入手しました。当時は、まだオベーションは人気があって安くなかったのです。今はどうなのでしょうか・・。エレアコだったら、もっと良いナチュラルな出音のものが、普通に多いのではないかと思います。

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OVATION Patriotは米国建国200年記念の1976年に1776本が作られ、その内、エレアコ版と(PUの無い)アコギ版が存在します。当時のギター雑誌に見つけた輸入代理店の広告で、日本国内に販売される台数があったのですが、詳細を忘れてしまい残念ですが、日本に正規輸入されたPatriotの多くはアコギ版の方だったと記憶しています。チューリップのPatriotはエレアコ版。私の個体もエレアコで、正規輸入品ではない並行品のようです。ケースやボディ内に当時扱ったのであろう「ザ ハリウッド・ミュージックストア」なるお店のステッカーが貼ってあります。ハリウッド・ミュージックストアーと云うと、古い人には東京は湯島方面の思い出話が聞こえてきそうだし、そんな話を私も共有したいところなのですが、ひとまず、この個体に貼ってある店のステッカーの電話番号は日本の電話番号ではありません。
このモデルだけの特徴は、アジャカバーが木製でひし形のインレイ、ボディトップの記念のマークがなされている。専用のモデル名とボディ内のラベルに専用のシリアルナンバーが書かれている・・という点。それだけと言えばそれだけ。

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イコライザーの類の無い、ボリュームだけの潔い仕様です。潔いだけに、当時のオベーションそのままのサウンドがアウトプットされます。70年代に憧れた夢のエレアコサウンド、ザラっとしてジャリっとした懐かし純度100%の音です。ボディーバックは当時のオベーションのスタンダードの茶色味の掛かったディープボール。ディープボールは立っても座っても少々弾きづらい。ネックは5プライ。その中央にあるウォルナット系のダークウッド(もしくは着色したメイプル)は、日焼けや乾燥で白化してしまっている(多分、それは私の保管のせい)。

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ボディトップに貼られた建国200年記念を表すマーク。この個体は金色の部分が薄くなってしまっています。太鼓と星条旗、その下に★1776★1976★とあります。現在、"OVATION PATRIOT"とググると結構な数の写真がヒットします。だから、もの凄くアなモデルではないのです。詳細にはそちらをお調べくださいね。

OVATION Patriotと言えば、日本ではチューリップの財津和夫さんなのです。世界的な視点で考えると、このオベーションのナツメグ色はジョレンノンの1651風でもある。こいつを久しぶりにポロポロと弾いてみて、ワタシ的には、歳をとった今だから、前ノメリに弾いていてもアリかなと思うようになりました。ただ、そこではチューリップのことは語らず、さりげなく弾いたらいい。私は特にしばらくベースばかり弾いて長くて、弾き語りから離れている。フォークギターを持つなら、きちんと歌えないといけないなと反省するところです。まいったな。

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2021/03/25

YAMAHA SG1000’1977

このブログのテーマがベースギターにあるところ、ネタ切れです。更新も滞りがちです。ここが滞っても困る人は居ないでしょうけど。そんな訳で、このブログには紹介していない手持ちのギター類を、ゆっくりと紹介していきたいと考えます。ギターの話題はほぼ4年振り。個人的なことで振り返りますと、1996年、国内ではWEB黎明期の頃に所有ギターの自己満足満載のホームページを20年あまり開設していました。
私はチューリップのリードギターの安部さんのファンだったこともあって、普段はベースを弾きながら、ギターを中心にチューリップ関連(正確には二期チューリップで使っていたものや、その頃の80年代)の機材を集めることを趣味としていました。そんな都合、所有しているギターが何本かあります。ただ、みんな価値はないですね。そもそも珍しそうなものは既に紹介してしまっていますので、残り物をジワ~っと暇をみて、メンテナンスしながら紹介していけたらと思います。

そういう訳で、私の中でのギターはチューリップの思い出とセットになっていますし、ちょっとだけ封印を解いてみます。今後ギターネタが登場した場合は、そのあたりに触れることが多いと思いますので、ここはひとつ、ご了承いただきたく存じます。

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まず、今回はヤマハのSG1000です。シリアル#001922の1977年。ラージヘッドと呼ばれている時代のSGです。ヤマハのSGはチューリップとは関連がないと思いきや、少しあります。当時(70年代・・・アルバム"UP SIDE DOWN"の頃か・・?)の写真集の中に、安部さんと共に写るSG2000(CS/ラージヘッド)の光景がありました。そんなこともあって、長年、同様のSGを探し回ったのですが、SG2000には出逢いがなく、やっとSG1000を見つけたものです。15年近く経ちます。
CSではなくBSなので、色も違うのです。資料として入手したもの・・のつもりでしたが、とても良いギターで、今でもときどき弾いています。
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ラージヘッド期のSG1000の特徴は(その全てではないかもしれませんが)、塗装のトップコートがラッカー、ボディバックのマホガニーの部分がパンケーキ構成となっています。些細なところではピックガードがセルロイド製でべっ甲飴のように曲がってしまう。PGとボディのネジ止めの箇所にあるスポンジの色が、ボディ側に染み込んでしまって、外すとボディトップに黒いホクロのようになっているという点です。高中正義氏の古いファンにはたまらない箇所でしょう。
後年のSGとは音が違います。出音は結構太く暴れる音。私が他に所有する80年代のSG2000(ポリ塗装)にある艶やかさ、透明感とは別なキャラクターのように感じます。ミッドが強く抜け出るので、バンド演奏には向いているかな・・・。
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このSGはその時代らしい重量感があって、腰痛に悩む現在の私にとっては立って弾きたいとは思わないギターです。重いベースよりも重いギターの方が腰にくるような気がする。SG1000や2000は、流通量が減っているのか、中古店ではちょっと高めになってきていますよね。私と同じ世代だったら、今更、SGを弾きたいと思う気持ちはよく判ります。くれぐれも、腰痛持ちの人は重量にお気を付けください。

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2017/02/09

FENDER TELECASTER THINLINE'74

久しぶりにギターの話題を取り上げます。普段の私は、部屋のスタンドに立ててある、73のテレもしくは78のL5Sをポロポロ弾いています。今日は仕事の休みがとれたので、楽器庫にある要メンテのギターを少々いじることにしました。

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FENDER TELECASTER THINLINE'74です。この個体は15年位前に入手したもので、私らしくなく、かなりのミントコンディションです。ヘッドの焼けなんて全然なく、結局勿体無くなって倉庫送りとなっていました。真新しいので、良く見ないと、ジャパンやメキシコの最近の個体にしか見えない・・・という点が難点です。

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私の世代としては、シンラインのイメージってTULIPの財津和夫さんなのです。シンラインにはシングルピックアップとハムバッカーの2時代あり、ハムバッカーについては順にパーロイドPGと白色PG、黒色PGの3世代となっていて、財津さん的には白PGだったこともあり、私はファンなので、これを捜して求めました。

シンラインのデザインはオヤジが弾くとかなりオヤジ臭い(笑)。なんなんだろう。カッコイイ若者が弾くとそれなりなのですが、私が構えると、どうもダメなのです。なので、いっその事50歳も過ぎて渋みを増したら弾こうと考えておりまして、そろそろその時期が来たのではないかと思ったのです。

で、この個体が何故要メンテなのか・・と言いますと、フロントPUの元気が無い。購入した時点からの現象でした。お店的には「そんなものだ」との説明だったのですが、フロント・リアともに同じPUであろうに、少々おかしい。多分、以前のオーナー氏も、恐らくこれが原因であまり弾かなかったのではないかと想像します。フルオリジナルだったので、開けるのがもったいなくて、今まで放っておいたとも言えます。

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例えば、同じ位の年式のJBなどはアース不良が原因で音に元気がない・・ということがあったりしますので、配線の導通をチェックしてみます。(作業の前にネットでシンラインを調べてみたのですが、ネット上に写真があまりありませんでしたので、今回は写真を多く掲載します)

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ボリュームとトーンのポットは、カタチが違いますが、共にCTSの73年の1MΩです。PU切り替えスイッチは普通の3点式です。アースの不良は問題ありませんでした。むしろ、フロントPUの直流抵抗がとれないことが確認されました。ということは、悲しきかなPUの故障?

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有名ですが、このPUはギブソンのハムバッキングPUと同じ人(セス・ラバー)が開発したもの。ギブソンと異なる点は、ポールピース自体が(他のFENDERと同じように)マグネットになっていて、ギブソンのように磁石を底に弾いていない分、構造がシンプルです。

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裏からみると、ポールピースが底板を貫通していて、カバーから頭が出ていない分は、逆転してセットしていることが判ります。この個体のPUは、どうやら中身に不具合があるようなので、開けてみることにします。

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カバーの外し方はギブソンと同じです。半田で溶かし、ある程度吸い取ってから、ドライバなどでパキっと半田を割ります(カバーを変形させない程度の力加減に配慮)。
中身は、二つのコイルが直列となっている、普通のハムバッキングです。テスターで測る限り、この個体は、このどこかが切れているという訳で、それぞれのコイルの直流抵抗を測ってみました。原因がコイルとコイルを繋げる線であれば、ラッキーです。で・・・、うわっ、片方のコイルが切れてる。

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コイル単体の抵抗値は5.35kΩ。(生きている方のリア・ピックアップは10.85KΩ。)この不調ピックアップの処遇について、しばし考えたのですが、「音が出ないよりは、出た方がいい」と結論し、不調のコイルをバイパスし、シングルコイルPUとして頑張ってもらうことにしました。5.35kあれば、フロントPUだし十分だろうと。

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バイパス手術終了。セス・ラバー氏が見たら絶句するかしら。使えないコイルの方もセットします。

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完成です。どんな音になるのでしょう。ワイドレンジハムバッカーにタップスイッチを付ける人も居るようだし、まぁ、深く考えないようにしましょう。

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弦を張って、鳴らしてみました。「おやっ、いいじゃん」です。テレキャスターの音です。ノイズが増えるなんてこともない。リアはハムバッキングのままですが、そのハムバッキングの鼻づまり系の音に比べ、スッキリかつ程良くスイ~ト。テレキャスターのシングルPUに引けをとらない感じです。なんだか、思いがけず、素敵なギターになりました。

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2016/06/24

YAMAHA SG2000DP'1981

数日前から、なにやら思い立って夜な夜なDTMの録音作業を行っています。発表するつもりもない(もとい、発表できるレベルではない)趣味の作業ですが。キーボード属とドラムは弾けないので打込み、ギター・ベース・パーカッション、効果音(?!)は録音としています。ということで、今日はギター。録音で使うギターは主に、73’テレと67’ES335の二本ですが、今回は気分を変えたい。もうちょっと、使いやすい音のヤツないか・・と倉庫から出してきたのが下のヤマハです。今日はこれを紹介しましょう。

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SG2000の紫色のモデルです。1981年製で、当時私は高校生だったのでこの限定モデルの話題は懐かしい。この個体は10年程前にSG2000を捜していた時に、この色しか見つからなくて入手したもの。人の前でSGを弾くことはないので、色はどうでもいいのです。久しぶりにケースから出してみたのですが、大変綺麗な色合いだと思います。

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SG2000はスルーネック構造になっていて、トップは2ピースのメイプルが貼られています。ベースで例えるなら、材は違いますがワーウィックのサムベースのような構造になっています。カタログモデルのチェリーやブラウンのサンバーストであれば、裏側にスルーネックの様子が見えるのでしょうが、このモデルは塗潰し。当時は高中正義氏が水色のSG2000を使っていたとのことで、水色の限定モデルもありました。紫(DP)色は、その水色(高中ブルー)の後に限定で出たものと記憶しています。

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久しぶりの音出しとなりました。レスポールのように暴れるSG1000に比べ、SG2000は太めでツルっとした音が持ち味。ある意味では一本調子の印象を持っていたのですが、そうでもなかったです。私のDTMではオーディオインターフェースに直挿し録音、波形を手直ししてMUSICMANの212HDにリアンプして音を作っていますが、このような行程の中では加工しやすい音のように思いました。

梅雨の湿っぽい季節にあって、青色(紫ですが)のギターは弾いていて爽やかで、良い気分転換となりました。

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