2024/08/21

AriaPRO2 AVB-SSB-016'1993(その3)

 AriaPRO2 AVB-SSB-016は触れば触るほど、自分としては納得がいかないところが見つかりまして、変えつつあります。トレブルのつまみを少しでも触るとノイズが大きくなりオリジナルのプリアンプを撤去し、バルトリーニのバッファーを内蔵しました。トーンはパッシブトーン。私の場合、フレットレスベースはライブ演奏というよりも録音することが多いです。この個体についてはベースやトレブルなどのEQによる演出装置は内蔵されてなくていい・・・と考えた訳です。
 AriaPRO2 AVB-SSB-016の出音のクセ・・にいきなり触れてしまいますが、トレブルが実用的の範囲を超えてキンキンすることに加えて、フロントPUの音が妙にブーミー(歪んでいる)だ・・という点です。歪んでいてピッチを合わせやすい・・・ということもあるかもしれませんが、歪み方にも厳しいものがある。ヘッドスペースの問題なのでしょうか。

 自分の老化が進み、何が良い音なのやら判らなくなっております。最近はパソコンのアプリが増えたこともあって、スペアナ的なアプリを見つけて視覚的に検証することが出来る時代です。このグラフを使ってみまししょう。ただ、恐らくはこの種(スペアナ属)の分析結果は弾き方が一様ではないなど、同条件での再現とは言えないことから、誤解を起こしやすいのです。なので、見た目の様子、雰囲気ということでお付き合いください。アプリは「Spectralissime」を使います。 このアプリは面白いと思います。

Tokai_js_front_pu
TOKAI JS70(JAZZ SOUND)'1983 FLETLESS FRONT-PU

まず、私のフレットレスベースの心の故郷、東海楽器製のJS70。上がフロントPUでコンデンサーは223(0.22μF)のフルテンです。トーンが利いてなくてもこういう形状グラフとなります。ピックアップは後藤だったと記憶しています。ちなみに4弦5フレットのAの音を出力しています。

Ap_stb_front
ARIA PRO2 AVB-SSB-016'1993 改;プリアンプ撤去→BALTOLINI AGBD918-2 FRONT-PU

オリジナルのプリアンプは外してしまった後のAVB-SSB-016です。フロントPUのみでトーンは絞っていません。バッファーのBALTOLINI AGBD918-2は6kHz位までフラットに出力しようとしていることは判ります。AGBD918-2を入れると、ご覧の通り音像が明瞭となるため、歳耳の私にはとてもありがたい装置となっています。不要な高域音は後加工で削ればよいとは思うのです。

Ap_stb_front_ft0
ARIA PRO2 AVB-SSB-016'1993 改;プリアンプ撤去→BALTOLINI AGBD918-2 FRONT-PU/PASSIVE TONE-223

BALTOLINI AGBD918-2とパッシブトーンの組み合わせです。223(0.22μF)をフルに絞ったグラフが上です。東海楽器のJS70ではトーンを触らないままにして8kHzで0になるようなカーブとなっていました。AGBD918-2での223では、8kHz以上にもまだ残っている・・ということが判ります。これはこれで良いのですが、妙な高域の残り方にはスカスカ感を感じるところなのかも。

Ap_stb_front_ft473_0
ARIA PRO2 AVB-SSB-016'1993 改;プリアンプ撤去→BALTOLINI AGBD918-2 FRONT-PU/PASSIVE TONE-473

コンデンサーの容量を大きく473(0.47μF)に換えてみました。JS70のグラフカーブに似てきましたよね。BALTOLINIの公式サイトの配線図例では、AGBD918-2の場合、何例かの配線図が掲載されているところ、私のこの配線は公式によるパッシブトーンの例でありまして、配線図上のコンデンサーは473でした。223よりも473の方が、パッシブ回路(?!)でいうところの223に近いのかもしれません。

とりあえず、これでしばらく使ってみましょう。

| | コメント (0)

2024/08/14

AriaPRO2 AVB-SSB-016'1993(その2)

 このARIA PRO2(AP) AVB-SSB-016について、手元に来てから、あれこれ点検を行いました。リサイクルショップのサイトで手に入れたものなのですが、ものすごい綺麗なのですよ。恐らく長期間に弾かれなかった個体のようで、それに起因する問題はありながら機能的には概ね問題はないような気がする。最大の問題はネックなのですが、リリーフ量を考えれば適切な状態だったとは言えます。ただ。トラスロッドののり代の範囲では、ネックが動かなかった・・・というところです。それは、嫌じゃないですか・・・。押したり引っ張ったり(?!)して、ロッドの動きを確認。FENDER SRBの強靭なネックに比べるとこのARIA PRO2は少し不安になるところがありますが、何日間の努力で少し動いてきた。くれぐれも設計や作りが悪い訳ではない。30年以上近く放置されていたことを考えると材料的には安定しているネックなのだとは思います。

 概ね問題はないとしても、私が処置したいくつかの問題点の改修と、カスタマイズに関してBLOGネタ的に紹介します。


 1.ネックを構えると「ギシギシミシミシ」と軋み音がする問題。

 この個体をWEBショップから購入し、届いて持った瞬間から「なんじゃこりゃ」と思った問題です。ネックジョイントの辺りで軋み音がする。こんなギターは私は経験がないのです。このベースを構えるとネックが動き「ネックとネックポケットのポリ塗装同士がすれて音が鳴っている」訳です。この問題は2つの原因に分解できると考えました。①ネックポケットのポリ塗装(を削り落とし、鳴りの原発を排除する)。②ネックのジョイントが緩い(のだから強固にする)。①で原因を除いても②ネックが動いているなんてイヤなものですから両方とも処置します。

①ネックポケット内のポリ塗装除去

ポケット内の側壁に残っていた塗装を、600番のペーパーで削りました。場所は写真の壁面ですね。写真ではネックが付いてしますが、ネックポケット内の作業ですので、ネックを外して作業します。あて木を使って平面に擦ります。これで問題の軋み音は無くなりました。

20240801c

②ネックのジョイント

 このBLOGとしては過去にも扱ったテーマです。ボルトジョイントのボディ側のネジ穴がキツキツとなっていて、ネックと十分に接合できていない。もしくはメーカー製造時には問題がなかったものの、後にネックを外した、経年変化、増し締め(?!)などを経て弛んでいしまうのでは・・という問題です。例えばネックの無い状態で、ボディにねじ込んで締めきれる・・・という状況は、ネックを十分に支えていないように思うのです。現在の最新の楽器に関しては知りませんが、私の世代(80年~90年代)の精巧に作られたと評される国産のギターの類に多いような気がします。

20240801d
 このことについては、諸説あり、これが正しい・・・という訳ではありません。ボディ側のネジ穴を少し広げる(グラつかない程度・・タッピングネジが最後は締めきれない、最後にグルグル回る程度にしています)と、鳴りは良くも悪くも変ります。個体差はあるのですが、この処理をするとネック側の響きが顕著に変化します。ボディとネックの接合が一層強固となることは間違いなさそうです。

 今回のARIA PRO2もネジ穴も案の定でした。上の写真のように、ネックがなくてもボディでネジ溝がキツキツで、締めていてキツイ。ネックの接合が十分ではなくわずかに揺れていました。①の作業で既に軋み音は無くなっているのですが、ここはしっかり処置します。穴を拡げる方法は、似たような径のドリルでさらうなどやり方ありますが、このARIA PRO2はそれなりに希少な個体なので、棒ヤスリで少しづつ広げました。

 2.誘電ノイズなんとかならないのかの問題。

 FENDER SRBとも共通したことなのですが、スティーブベイリー氏のモデルは高音域の活き活きしたキャラクタ設定のようで、2バンドのトレブルを少し上げると、ジ~っというノイズが耳につきます。FENDER SRBの入手時に振りかえると、当初からのノイズの量で故障してしまったかのような誤解をし、中身をシールディングしている内にプリアンプが壊れ、その後、エライおもいをしました。今回、このARIA PRO2を弾いてみて判ったことは、私のFENDER SRBは故障していなかったのだ・・ということです。私の普段のアクティブ系のベースの多くはバルトリーニ族で、ノイズの強いTCTでも、ここまでではないため、私ような環境下にある向きには、スティーブベイリーモデルは耐えられないタイプのベースかもしれません。しかし、パリパリ、カリッカリな出音には魅かれるところもあります。ピッチが聴き取りやすい(つまり弾きやすい)、ハーモニックスが綺麗に響くなどのメリットがありフレットレス6弦ベースとしてはとても面白いものになっているような気がします。

 過去の話題ですがFENDER SRBについてPUの出力が小さかったこともあって、バルトリーニAGBD918-2のバッファーに通し、25kΩのボリュームポットを介してハンプバックの2バンドのプリに出力しました。結果、ノイズ対策と、パリパリ、カリッカリ感の演出に成功しました。このARIA PRO2はPUは普通の出力量があるように思います。オリジナルの同軸ポットはボリュームもトーンもB500kΩで受けている。AGBD918-2(+オリジナルプリ)を内蔵させるとして、このARIAPRO2をフェンダーのJBのスタックノブに変更したい私としては、CTSの同軸ポットで2軸2連の25kΩ+500KΩなんて、既製品にはなかなか無い・・。なので、ゆくゆくはよくよく考えて対策するとして、500kΩのボリュームを250kΩに変更して少々大人しめの設定にすることにしました。大手音楽機材通販ネットショップで調べると、CTSサイズではFENDERがスタックJBで使っているというA250kΩ+A500KΩと、ALL PARTSブランドでA500kΩ×2のものが手に入りそう。今回はFENDERのA250kΩ(VOLUME)+A500kΩ(TONE)を選択。同時に、ツマミもFENDER(レプリカ)に交換しました。ボリュームポットの250kΩへの変更は、とびぬけた個性は無くなった一方、使い易いものになったとも考えています。いずれにしてもオリジナルのプリアンプはクセが強くて気になる。スティーブベイリーらしいところなのかもしれませんが、どうだろう。穏やかな音で良かったのではないかとも思うのです。

20240801b
 どうでしょう。ツマミがFENDERのスタックとなり、一回り大きいものになって、かわいらしくなりました。FENDER SRBと並べた時に、ツマミの大きさの差が気になりましたので、同じような傾向の見た目としました。詳しい人にはFENDERとAriaPRO2の違いは判るのでしょうが、関心がない人には同じ(ちょっとした違いの)ベースに見えるのではないかと思います。

20240801a
 私はこのAriaPRO2について気に入ったか気に入っていないか、どうかというと「気に入り」側です。減点としてやはりオリジナルプリアンプに起因する(このベースの個性とも言える)ノイズです。ボリュームポットを500kΩから250kΩに換えた結果、多少の緩和は図れたのですが、ノイズはあり、ポットの関係で、ミッドが濃厚になった一方でハイが無くなってしまった。でも、この音はこれでありだと思います。オリジナルを知っている私としては本来のカリっとして、かつノイズの少ない方法を模索することになるでしょう。なので、このモデルの話題は今後も続きますね。

 AriaPRO2とFENDERを比較して、どちらが好きか・・と言いますと、私はFENDERの方です。ネックの厚さや塗装の感じなど、弾き味についてAriaPRO2は日本製の薄くてポリ塗装による硬質でサラッとした、私世代には慣れたそれで、悪くはないのですが、FENDERの方は一段高級が楽器に触れているような気がします。フレットレスという性格を鑑みると、私は、弾いて暖かく包まれ感のあるFENDERの方が有難いと感じます。この2つ、座位で演奏する場合に膝に乗るところの位置がPBとJBみたいに違っています。この点も慣れ不慣れ・・があるのかもしれません。一方、AriaPRO2のこのモデルからFENDERに持ち替える理由は思いつきません。当然、その逆も然りです。AriaPRO2とFENDERが同時に並んでいて、どちらも同じ条件で、どちらかを選ぶということがあれば、私はFENDERを選びます。

 AriaPRO2が手元に来て1ケ月程経過します。毎日毎晩ロッドをいじり油を差したりして弾いていますが、だんだん本来の状態に戻ってきているように感じます。無理な矯正をしないような調整には時間が掛かりますが、私も歳をとって、そういうことに楽しみを感じています。

20240801e  
 最後に、紹介するのを忘れていました。キャビネット内のシールディングを行いました。最近の私はシールド用の塗料も使わなくはないのですが、今回は銅箔テープです。ホームセンターで入手したニトムズ製のものです。この銅箔テープを使う場合は、継貼り(?!)の場合、原則導通がとれていないと考え、重ね貼りを行い端っこを一点でもハンダで止めておく必要があります。銅入りのハンダを使うとやり易いです。私は、細い銅線を伝わせながらハンダで繋げ、最終的にはグランドさせています。上の写真はハンダ処理の前ですね。実は、このベースにこのシールドの処理は、あまり効果は発揮しませんでした。プリアンプの性格なのかもしれないな・・・と思います。

| | コメント (0)

2024/08/01

AriaPRO2 AVB-SSB-016'1993

20240731e
 AriaPRO2のsteve baileyです。1993年頃に発表され、その時の話題性は記憶にあるけれども、2000年も過ぎると存在感はどうだったかと思うところのモデルです。私は長年エレキギターやベースを収集しているのですが、国内のブランドの中ではアリアプロ2に疎くて、ギターのSH-1000以外に持っていないのです。特にベースギターについては「無い」。今回、恐らく私の収集の旅としては終焉にあるところで、初めてのアリアプロ2という訳です。アリアプロ2のデザインは、昔から華奢に尖がっていたりして私は魅かれるところなかった。でも、このAVB-SSB-016は、発表された時にとても気になった記憶があります。6弦でラインなしのフレットレスタイプなんて、趣旨が尖がっています。
 前の記事に触れたように、最近、弾いているFENDER SRB(steve bailey)の予備の代用として迎え入れたものです。家で弾く時はFENDER。門外で演奏する時はAriaPRO2という使い分けをしたいと考えています。・・・いずれにしても現行のモノでもない訳ですし、今にして語ること自体が懐古趣味なのですが。

20240731c
 FENDER SRBのヘッドは大きく見えますが、FENDERの普通のモデルと大差ない大きさです。AriaPRO2のヘッドはコンパクトですね。ナット幅はFENDERが51.5mm AriaPRO2が49.5mm。24フレット部の幅はFENDER≒93mm、AriaPRO2≒92mm。ブリッジの弦間はFENDER≒18.5mm(0.5mm程度の調整幅)、AriaPRO2≒18mm。AriaPRO2の方が数値上はわずかに小さく、似たようなものなのですが、弾き比べるとFENDERの方が全体的な大きさを感じます。指板のテーパーはAriaPRO2の方が強いので、FENDERのブリッジの幅でも許容するような気がします。もしもFENDERのブリッジが入手できるような取り付けてみたいところです。

20240731d
ボルトオンネックの5点式ジョイント。FENDERの方が頑丈に取り付けられています。AriaPRO2の方は、演奏し易そうなカタチですが、強固な構造とは言えない箇所です。弾いてみるとネックポケットからネックが動いて、ギシギシミシミシと音を立てる程でした。経年変化によるものかもしれませんが・・・。

20240731b
ボディのカタチは、よく似ています。私はどちらも好きです。FENDERはオフセットが利いていて、座って弾いているとジャズベと同じように弾きやすさを感じます。ネックのローフレットは遠くなりますがね。FENDERの方は私が電装一式(PU以外)改造してしまっていて、PBのフラットトップのツマミはオリジナル。それ以外は私が取り付けたものです。黒いプラのツマミはプリのトレブルとベースのツマミとなっています。もともとは同軸の2バンドコントロールのツマミとON/OFFスイッチでした。舟形のジャックも黒色に交換しています(もともとはクロームメッキのものでした)。AriaPRO2を意識した訳ではないのですが、兄弟のような雰囲気を醸し出しています。AriaPRO2のボディの造形は、思い切っていて悪くないな・・・と私は思います。ただ、ツマミの径が小さいかな・・・。ここは大きくするともっと可愛くなる。替えたいところです。

20240731a  
 このARIA PRO2とFENDERは似たような出音の個性があります。もう、パリッパリの音。弦から手が離せないノイズ。私のFENDERはプリアンプを交換(ハンプバックの2バンド)し、ノイズ問題を解決しているため出音は変わってしまったところもあるのですが、似てた感じに仕上げているのではないかと思います。
 ARIA PRO2とFENDERではボディ材がアッシュ(ARIA)とアルダー(FENDER)であって、弾き心地は異なります。FENDERの方が暖かい印象で軽い。ARIA PRO2の方はちょっと重みを感じます。重いボディが、パリパリ度を強調している・・・といったところでしょうか。
この二者を比べて見て、メインやサブは私の都合でしかなくて、どちらも好きです。長年の期間を経て設計されたモデルにおいて、両方とも筋は通っている。スティーブベイリ-氏のことの演奏については、私は詳しくないのですが、これらのベースギターを抱えて奏でた瞬間に、氏に共感することになるのです。

| | コメント (0)

2024/07/30

私の予備楽器、一本確保。

20240728b
 以前このブログで、自分が普段使っているベースの内、もしもに備えて予備があったらいいな・・・という、捨て鉢(?!)な記事を掲載しました。https://route335.cocolog-nifty.com/blog/2020/09/post-0d9f13.html

 内容は弦間幅広の6弦ベースというところに終始している感が強いのですが、現在でもここにあげたベースの使用が頻度は高くて、特にストリーマー6とFENDERのSRBです。演奏会に持ち出す時、私のようなアマチュアだと自分の機材は自分で運ぶし、見張っていないといじられてしまうこともあるし、ずっと見張っていられないし・・、出先でいろいろと何かあったら困るので、気軽に持ち出せる影武者が欲しいのです。影武者と言っても、同じモノは無いので、演奏性や音色が似たものだったらヨシとして。WARWICKは5弦のブロードネック(ストリーマー5など)のものと使い分けたリスク分散で対応。現在、多弦ベースの弦間は18mmが標準になっているようですが、私はもう少し広い方がいい。18mmに落ち着いていなかった昔の方が、ベースの選択肢が多くて楽しかったなぁ・・と回想します。ともかく。

 今回、FENDERのSRBの影武者となりそうなモノを入手することができました。FENDER SRB(2009年)から時を10年以上遡り、ARIA PRO2時代のSTEVE BAILEYモデルのAVB-SSB-016です。1993年製ということで、結構古いモデルですが、私はこのモデルに触れたことがなかった(というか現物を見たこともない)ため、ネットでポチった時は少々勝負でありました。

 で、届きました。この個体はほとんど弾かれていない、保管状態の良い美品でした。錆びなど無し。弾かれていない分、調整箇所(ネックですかね。トラスロッドが固着気味なのかな・・。)があり、じわじわ動かして調整しています。ネック自体のスタビリティは悪くないようなので、きっと良い状態に戻ることでしょう。現状でも問題なく弾けます。
 このモデルの詳細については調整が利いた後で、改めて紹介するつもりですが、恐らくFENDER SRB(以後略:SRB)とAP AVB-SSB-016(以後略:AP)を並べて、少なくない人数の方々が気になる点について触れておきます。双方の指板幅や弦間ピッチですね。両者のブリッジの構造の違いがあります。SRBは弦間調整ができるタイプ(実測18.5mm位を中心に0.5mm程度の調整幅)。APは18mmの固定です。ネックの指板幅についてノギスや定規で計測(誤差はあります)したところ、SRB:AP(ナット幅/51.5mm:49.5mm、24フレット部幅/≒93mm:≒92mm)であり、APの方がわずかに狭いとは言え、ほぼ同じです。私はSRBの弦間調整を一杯に広げていますから、APはちょっと狭いということになるのですが、SRBでも弦間を拡げない場合は、両者、ほぼ似たようなアクションで使えるでしょう。SRBのようなサイズのブリッジをAPに取り付けたら、影武者としては満足できるのではないかと思います。ただ、SRBはネックの厚みが感じられたり、ラッカートップだったりして、弾き心地はちょっと違っているようです。
 この記事を書きながら、APをいじっていまして。出音の個性も両者似ているように感じます。私のSRBは過去記事に何度も触れましたが、誘電ノイズが強くて、四苦八苦したのです。みずみずしい高域の反面、ノイズが強くあり、手放しでは弾けないモデルです。これは一緒ですね。このままでは私は弾けないので、シ-ルドを強化したり、SRBの経験から得た改修などで、いきなりいじってしまおうと考えています。この個体、フルオリジナルなのですがね。

| | コメント (0)

2024/07/24

IBANEZ MC924DS '1980【点検】

 私、今年の誕生日で還暦。このところ還暦以上の老いを感じているところです。一年前から治療中の病が、この春を過ぎて順調ではなくなっているみたい。他人事みたいになってしまうのは、肺なので、時々出る高熱と少々身体が重いこと以外には自覚症状があまり無くて。自分としてはそこそこ元気のつもり。ただ、レントゲン写真では悪いとのことで、ステロイドの量は振りだしに戻る。「家から出るな」ということで、昨日から家に居るのです。大人しく過ごそう。なので、この夏に計画していたささやかな帰省・旅行は、キャンセルです。トホホ。

 前述の通り、常に病床に伏している・・・という感じでもないので、所蔵のベースをチェックして過ごすことにしました。ちょっと気がかりのある個体を直そう。今回は1980年のMC924です。この個体は、以前に紹介したものですが、私の作業で、リアピックアップの中のデュアルコイルの内、ブリッジ側のコイルをオミットしています。この改変で、使える音になった、とか思い込むことができて、我ながらお幸せなことなのですが、この個体自体をあまり弾いていない状況を鑑みると、自分が元気な内に、元に戻すべきだと考えました。

20240723a
 配線はPUリード線の内、リアPUの4本線の内の1本を回路接点から外していること以外はオリジナルです。

20240723b
 上の写真右側にあるPUセレクターの右側端子から、赤色のリード線を外しています。これは紺色のリード線と共に接続していたものでして、今回ここを再度繋げて、オリジナルに戻しました。このPUのデュアルコイルの関係はフロントリア共にパラレルです。

20240723c
 フロントPUの裏側の記載です。「A5・44・75」。

20240723d
 リアPUの裏側の記載です。フロントと同じ「A5・44・75」。記号から推測すると「ALNICO5・AWG44・??」でしょうか・・75は何でしょう。思いつかない。

20240723e_20240728174201
 MC924の変遷の中で、1980年製は初期型に相当します。私はMC924を好み、初期、中期、後期と揃えていますが、個人的にはこの初期の外観が一番好きです。温かみのある優しいデザインで気に入っています。ただまぁ、MC924の中で、今、弾くのなら後期でしょうか。後期の特徴はローインピーダンスPUでノイズが無く、トーンはローパス(2軸ジャズベ回路)だけなので、時代めいたEQが無い分、使い易いように思います。(念のため、後期型には2期(前期・後期)ありまして、私がさしているのは後期型の前期。後期型の後期は所有していないので判らないのですが、カタログの仕様上は2バンドEQとなっているようです。PUも異なっていて、後のMC2924へとつながっていくのですね。)

話をこの初期型MC924に戻します。オリジナルの配線でリアピックアップの状態が元に戻り、私の気がかりが一つ減って良かったです。

| | コメント (0)

2024/06/12

アトランシア ステルスカスタム'2015(その2)

 前回紹介したアトランシアについて、弾いているうちに気になった点について、少し手を加えました。私としては、この個体には大変満足しているところですので、些細な2箇所のカスタマイズということで紹介します。(紹介する意味はないかもしれません。)前のエントリー記事で触れた弦間ピッチのようなものは大改造となりますので、さすがに出来ません。念のため。

 まずは最初に、PUの高さ調整ですね。2種類の違うネジ(高さと締め込み)で、お好みの位置でがっちり固定できるというものなのですが、私には慣れないためか、正直に困りました。ローインピのPUであり弦との距離を細かく攻めたいところ。上手くいかないのです。なので、PUの底にスポンジを入れることにしました。話が逸れますが、このPUは電源線が付いているもので、各々の中にバッファーアンプが内臓されているものです。ドライバで叩いて出音を確認するとコイルはシングル。ハムバッキングのように見えますが内容はアクティブPUのJBという訳です。

20240612a
 このベースにはPUの高さを支えるバネやスポンジの類は入っていないのです。構造的に必要はないのでしょうが、私個人的には馴れたスポンジはあった方がいいような気がします。スポンジやスプリングがあれば、ネジを緩めたらいつものベースのようにPUが反発で上がっていくのです。
20240612b
 で、私が最近愛用しているのは3M製の「すき間ふさぎテープ」です。私はPUの底には長年ウレタンフォーム(?!)を切って使っていたのですが、すきまテープでいいんじゃないかと気づきこれになっています。3Mのこれはなかなかいいです。

20240612c
 粘着テープが付いていますが、このベースには貼らないまま使います。いつでも外せるようにね。スポンジの反発で、普通のベースのようにプラスドライバーのネジを緩めると高さが上がってきます。六角の方で高さを決めて、改めてプラス側(?!)のネジを少し締める感じですかね。大変便利になりました。

 つづいてカスタマイズ(?!)2点目。集合練習に数回、持ち込んで発覚した問題です。ジャックが緩い。プラグが動くことがあるとノイズをバリバリと放つのです。このベースは良い音なのですが、バリバリ音が混じると興ざめなのです。
 私が使っているシールドケーブルはスイッチクラフトのプラグを平凡な使ったもので、所有しているギター側も大概はスイッチクラフトのジャックとしています。なので、接触不良のようなバリバリは経験ありません。ここはさすがに消耗部品なので、スイッチクラフトのものへ交換してしまおう・・・と考えました。また、国産プラグのシールドを使うという方法もあるのかもしれませんが、舶来品かぶれの私は・・・というか定番のものしか私は持ってなかった。ここは反省します。ネットで調べると、今や国産のしっかりしたモノがあり、支持されているようですね

20240612d
 アトランシアを象徴するオリジナルのジャックプレート(?!)の中にあるジャックは、カバーされているタイプ(マル信無線電機のMJ-187)。純正品なのだと思います・・。この部品には罪はないのですが、私、個人的にはもう少しカチっとはまって欲しい。これを、スイッチクラフトのステレオのオープンジャックに交換しようとしたのですよ。そうするとですね、オリジナルのジャックプレートの中の穴には、スイッチクラフトのジャックの外周が大きくて入らないのです。穴を広げるということも考えたのですが、アトランシアのオリジナル部品に加工を加える勇気はないので、それは止めました。どうすんべ・・・。

20240612e
 古い部品箱を探して、昔々、秋葉原のラジオストアで買ったメーカー不明、国産のステレオジャック(豪華な金メッキ処理)を見つけて使いました。部品の写真を撮り忘れてしまった。無加工(もちろんハンダはしました)で取り付け、もともとの感触よりもカチっと感が向上し、バリバリ接触ノイズも無くなって無事に問題解決となりました。なんだか出音が太くなって、まるで別物になった気がするのは、自分の気のせいだとは思います。いずれにしても接触の悪いユルユルのジャックは交換した方がいいのでしょう。

 アトランシアのオリジナルのジャックプレート(上の写真の黒い部品)は、どのような素材なのか判りません(アルミ?プラ?)が、テスターを当ててみると導通は確認できません。ボディ内のザグリの壁面は電導塗料が施されている。ジャック部のスペースは広くないので、オープンジャックに交換する場合は、ホット端子、電池端子がザグリ壁面に接触しないようにテープなどで神経質に絶縁しておいた方がいいかと思います。

 今回の学びはアトランシアのジャックを交換するなら国産品で、ということであります。ジャックがユルユルでダマシダマシ使っているような場合は、交換してしまった方がいいのでは・・・と思います。ジャックの交換で音が変った。それで演奏は上手くならないけれども、気分が上がるので練習次第では上達できるかもしれない。そして、PUの底にスポンジを入れると、少しだけ便利になる(笑)というところでしょう。このステルスは、私にとって一層使いやすいものになりました。

| | コメント (0)

2024/05/23

アトランシア ステルスカスタム’2015

 私はギタ-やベースギターの類を集め始めてからというもの、今さら振り返ると結構な年月が経ちました。世代的にギブソンやフェンダーに憧れて始めた趣味なのですが、当然、国産ブランドにも抵抗がなかったので、今、我が楽器庫を眺めると国産品の割合は高いのです。
 実は、今回話題にする国産ベースは、私にとって初のブランドによるものです。振り返ると、これに関連する古いメーカー品が1本だけある。ベースではなくギターでアリアプロ2のSH-1000。SH-1000は、私の昔あったホームページROUTE335では紹介していたけれども、このブログでは紹介していないので、それはいずれ。今回は、PEやSHなどあの時代と同じ味わいを持つギターメーカー、古いマニアの方にはその通り、アトランシアです。私はアトランシアのベースを、中古品で今やっと入手して、弾くことができました。5弦タイプのステルスです。
20240529a
 アトランシアのボヘミアンというモデルを私が知ったのが昨年でした。その頃、自分としては、少しばかりの病気で入院していて、私自身の思惑に反して周囲からマズイような感じの心配をもらっていながら、肺の生検手術の前の晩に、呑気なのことに病床でスマホでベースのことをググっていて見かけたのです。アトランシアは私でも知っている、古くからのメーカ。こんなボヘミアンの6弦は、私としては嫌いじゃないカタチ。カワイイ。自分の残りの時間が限られるなら、こんなベース弾いてみたいものよね・・と思ったのです。
 遡れば、アトランシアの存在は80年代からギター雑誌に広告を出したこともあり、自分としては高価であったことも手伝い、そしてカタチが苦手で、長年黙殺していた対象でした。しかし、昨年、ボヘミアンに胸を打った後は、アトランシアのデザインが全てイケたヤツに見えてきたのですね。中古をネットで探しました。当然、新型のボヘミアンのセコハン品はなかなか無いのですが、都内の販売店では幸いに別モデルで何本かあって、それを前回の上京の際に試し弾き歩いたりしました。ネットでポチればいいのだけど、私の価値観では金額的に怖かった。
 購入後に知ったのですが、私がお茶の水の大手楽器店で購入したこの個体は、恐らく、2015年冬に大阪の大手楽器店から販売されたもので、あまり弾かれないまま手放され、その時の新品定価よりも高い値札がぶら下がっていたようです。おいおい。でも、良い楽器なので許します。

アトランシアのベースの特徴は、ネックが厚いという噂でした。確かに度を超える程に厚いもので、びっくりしますが、弾いてみると厚いことでの不便はない。逆に、厚くないと満足がいかなくなりそうなのです。

20240529c
 このベースの出音は暖かく、明瞭快活な良い音がします。弾いていてイヤなことが少し忘れられる(私は)。ネックの響きが、いつものベースとは違っていて、生音はジョイント部の周辺から鳴っています。いつものベースではネック全体がトラスロッドの金属感を伴ってモヤ~っと鳴ってるものなのですが、これは無いのです。ボディはウォルナットの裏表、中心材はマホガニー。ベースでマホガニーのボディが使われることはそんなに多くないのですが、私は好きな材です。

 コントロールは金色の大きいツマミがマスターボリューム、一列に上からトレブル、ミッド、ベース。右側に外れた1つはPUバランサー。ブリッジはモノレール。弦間18mm。(指板幅は19mmまで許容しそうなので、ここは惜しい。)弦間の調整が効くサドルだったらよかったのにと感じます。弦間の私の好みとしては少々狭いのです。ですが、ネックの太さの関係からか、それほど馴れるのに苦労はないかも。

20240529d
 ネックはメイプル。ステインで着色、つや消しに塗装されたものです。アトランシアの他のベースをネットで調べると、スカンクストライプのような線が2列、ネック裏に存在するものがあり、カーボンの補強材だということです。「カスタム」グレードのものは補強されている・・・というような情報もあるのですが、この個体を当時、新品で扱った小売店のWEBページには「ステルス・カスタム」と表記されているので間違いはないのでしょう。購入した際に、この個体のネックは要調整の状態でした。恐らく、長年弾かれないまま弦を緩めていた結果、逆ソリしていたのだと思うのです、トラスロッドがまるで絞められておらずグラグラの状態でした。入手直後は弦を調律するとネックがわずかに上がってきたので気づきました。なので、現在はトラスロッドを活かして自分なりに調整中です。ネック自体の素性は良いので真っ直ぐに調整はできるでしょう。アトランシアを前に(恐れ多いのですが)密かに腕が鳴ります。入手後1月程経ちますが、そこそこ安定してきたところです。

20240529b
全景写真では、カッコの良さは感じないのですが、どうやらカッコ良くないと思っているのは自分だけで、これを弾いていると周囲の人たちから「えっ!それカッコいい楽器じゃないですか・・・」と言われます。弾いている限りは、このデザインの癖を感じることはありません。なので、とても良いベースです。正直、もう少し前に食わず嫌いのアトランシアに気付くべきでした。現在はカスタムオーダーの受付が止まり、新品の出荷数が減ったのか、物価高も手伝って新品も中古も高くなってしまっています。10年前なら、中古品であれば、まだまだお小遣いで買える範囲だったと思うのです。

気に入ったポイントを列挙します。まずは肝心な音です。ネックの太さによるであろう木部の生鳴り。木の鳴りを纏ったかのような温かみのある長いサスティン。妙に各弦のバランスが整ったPU。アンサンブルの中の存在感(邪魔にならない)。プリアンプも秀逸です。最初は甲高く感じますが、他楽器と混じるとそのままでいい。続いて、太いネックの演奏性。慣れると、これでないとダメになりそう・・・と皆言っていた世界感で、とても良くわかります。

反対に気になる点は、調律がやりづらい。書くまでもないのですが、ペグと弦の位置関係が体験と異なる。なので、例えばD弦のチューニングを慌ててしたりすると、それがG弦だったりする。チューニングメータを見るスタイルなら問題ないのですが、耳や感触でペグを動かす人は厳しいかもしれない(それは私)。ここは慣れる気がしないのです。てんぱった演奏中にいじることはタブーだ。
そして、前述した弦間ですね。私の好みとしては弦と弦の間の距離が一定であってほしかった。・・・とは言え、この出音を考えれば、そんなことは些細なことのようにも感じます。

この個体は、いい奴なのにあまり弾かれてきた痕跡がありません。この後、私なりにしっかり弾いてみたいと思います。気づくことあれば紹介します。きっと、良い気づきばかりと思います。

| | コメント (0)

2024/05/08

Fender C/S Yamano 120th Anniversary Vintage P-Bass Custom’2012(の現在)

20240510b
 先月、私が大好きだったTULIPの愛媛公演を観に行きました。チケットを職場の同僚から譲り受けて実現したものですが、私としては今回の「本当に最後らしい」再結成TULIPのツアーは観れないものと諦めていました。今回の最後のツアーは、確か、2022年から始まったもので、その年の6月の東京フォーラムを私は観ていました。松山の公演は、偶然であって、夢を観ているような舞台でした。

 このツアー、現在ではアンコール的な期間となっているものです。メンバーがミュージシャンである間は、ずっとTULIPを続けていたらいいのに・・・と思うのは私だけではないでしょう。

 私は、ブログの名前で予想される通り、TULIPの安部さんのファンです。このブログの楽器の話題ではベースの話題が多くなっていますが、ギターも弾いています。でも、現在の私はギターは人前では滅多に弾かない、セッション相手がいる場合は、いつもベースになる。私はTULIPは1977年からのファンですが、ファンの分類では恐らくは2期世代です。安部さんのファンだけれども、宮城さんに対してはファンというよりも尊敬です。私が子供の頃にベースを弾くことがなければ、今は・・・というよりも、早い時期から音楽から離れていた筈ですし、ベースを弾きたいと思う切っ掛けとなったのは宮城さん(宮城伸一郎氏)でした。子供の頃にレコードからコピーした氏の演奏は、派手なものは無かったけれども基本といえるもので、その後、私の財産となったと思います。

 TULIPへの想いを話すときりがないので、そろそろ止めておきます。愛媛公演に話を戻しますね。私は、TULIPのメンバーが使っている楽器を分析するのが好きでした。宮城さんが使っておられる青ラメのOPBに似たモノを私は10年前から所有している。ブログ的には数回触れていますが、改めて紹介をします。入手した時の経緯などは、過去記事をご覧ください。
 このモデルは、2012年に銀座山野楽器が創立120周年を記念して、当時長年輸入代理店を行っていたFENDERにオーダーした企画品で、カスタムショップがチームビルトのグレードでエレキギターとベースで計9本製造したものです。ストラトキャスター、テレキャスター、OPBで各3台づつ。特徴は青いスパークル塗装とアノダイズド(アルマイト)ピックガード。他に、マスターグレードの品があり、OPBだけのことに触れれば2本、ジェイソンスミスと(たしか?)ユーリシスコフ。宮城さんが現在のステージで数曲で使っていた個体はジェイソンスミス製のもので、青色が少し深い特徴があり、他の同企画での個体達とは異なっています。
20240510g
 私のチームビルドは、2014年秋に中古で入手しました。私にしては、ちょっと高価だったこともあり、ほとんど弾かずに保管しています。実は弦も替えてない。弦高も、何もかも触らずです。久しぶりにケースから出したら弦が錆びていたりして、少し手入れをして、きちんと弾いてみようと考えました。写真は弦を外してしまった後になります。

20240510d
PJ構成です。このPUがどのような曰くつきのものかは知りません。PUを外して裏を見たら何か書いてあるかもしれませんが、それは行っていません。

20240510e
 フェンダーカスタムショップの製品には、多くの場合(必ず?)にヘッド裏にマークが付いています。このマークは無理に付けなくてもいいんじゃないの?と、以前から私は思っています。ネック材は柾目です。

20240510c
ここ(上の写真)も、このモデルの特徴です。ネックのバインディングがアバロンシェルの模様でビックリ。それだけではなく、ギブソンのようなオーバーフレットバインディングになっています。なんとナットの箇所までもなっていて更にビックリ。オーバーフレットバインディングはフレットが引っ掛かることを防ぎ、滑らかな手触りで良いです。ですが、アバロン模様はどうかな・・と思います。模様は綺麗なのですが、いざ、心に余裕のない演奏場面Dえはでは、白ドットポジのサイドマーカーが見えづらいという問題があります。

20240510i_r
 私の前の所有者はサイドマーカーの視認性の問題解決のため7フレットと9フレットの位置に、ボールペンと思わしき筆記具でガリガリと追記されています。以前のオーナーはコレクターではなかったことが判ります。
 このマークはコンパウンド等ですぐ消える(ボールペン特有の凹みは残る)程度のものなのですが、恐れ多いので、可能な限り残そうと思っています。弾いていても消えてしまいそう。

20240510f
 私は2ノブタイプのJBを触ったことがありませんので、これもそんな感じなのかと思います。JB配線で、それぞれのPUにトーンを配線するとこんな効果になるのでしょうか。トーンは考え過ぎると使いづらいものになりそうなので、あまり考えない方がいいでしょう。このベースの電気的なサウンドは、いわゆる良く出来たPJベースです。PJのベースはPが使いづらいものが結構あったりするのですが、これはPだけで弾くと、良い音のプレシジョンベースです。Jを少し混ぜる・・・という使い方には、トーンコントロールの煩悩から解脱する必要がありそうですが、いじっていると時々、コレコレってポイントがあります。

20240510h_r

 このベースの音を個人的に総括すると、生鳴りは良くも悪くもヴィンテージのフェンダーを連想する音だと思います。ただ、新しいから良い意味でカチっとしています。現在の私の気分に限ればリアPUの音はいらないかな・・・と感じています。フロントPUだけでブリブリと普通のPBとして使うと気持ち良い。

このベースの購入時の設定等の入手時の状況を自分用の備忘録として掲載しておきます。参考までに。

弦:ダダリオXL165

弦高(約):12F
4th:3.2mm
3rd:2.5mm
2nd:2.4mm
1st:2.2mm

弦高(約):20F
4th:3.2mm
3rd:2.5mm
2nd:2.4mm
1st:2.2mm

PU高(ピックアップマグネット上面と弦下面との距離)
フロントPU/リアPU(約)
4th:5mm/3mm
3rd:5mm/4.5mm
2nd:4mm/4.5mm
1st:4mm/3.0mm

 ※ネックのリリーフ量は薄紙一枚程度、ほとんど無い真っ直ぐな状況です。12フレットと最終フレット(20F)の高さは何度も測ってみましたが私のアナログ計では同じに結果になりました。

 ※弦高については低くはない、私は高さを感じるのですが、私が普段使っているベースが低すぎるのかもしれません。

以上

| | コメント (0)

2024/04/03

FENDER Steve Bailey signature 6 その7 ~ノイズ対策とバッファ装着~

20240403a

 私と、このFENDER Steve Bailey signature 6とは5年程の付き合いになります。製品的には2009年なので15年前のモノです。この子はね、お茶の水の某老舗楽器店で買って、自宅まで配送してもらうようにお願いしたの。予定日に届かない。こちらも忘れていて1ケ月位して届いた。「忘れていました」と一言の手紙と、アーニーボールの黒ストラップが入っておりました。届いて弾いてみると、店頭で試奏した時には気づかなかったノイズが気になってしかたがないという。まぁ、ケチの付いた個体だったのですね。あれこれ触っている内に、あれこれ壊して、自分なりにあれこれ治したことは以前に書き込みました。
 ・・・で、概ね気に入っていたのですが、「使う日、場面によって、PUのマグネットに触るとノイズが出ることがある」ことが気になり。もう一度ノイズ対策を行うことにしました。これまではピックアップ裏のマグネットに銅ホイルを貼ってアースしていたのですが、その接触に問題がありそう。で、ここを電導塗料にし、改めてしっかりとラグに経由しアースしました。(肝心な写真を取り忘れです)

20240403b

 続いて、プリアンプ(HUMPBACK ENGINEERING 1×2)の前にバルトリーニAGBD/918-2を入れました。ノイズ対策というよりも、もともとこのPUの素の出力が低くて、プリ(HUMPBACK)のGAINツマミを高めに設定して使っていました。もう少し、シャキっとさせたかったため、プリアンプの前にバッファーを入れてみたらどうか・・と考えて行った実験です。目論見通りにはなりました。
 AGBD/918-2は2チャンネルあり、Steve Bailey signature 6のボリュームは一般的なJB配線で、それぞれのPUからボリュームに繋がる前にAGBD/918-2を入れます。JBのボリュームポットは普通250kΩ位でしょうから、メーカー推奨25kΩへ交換。ノイズを気にしないなら250kΩのままでもいいようです。上の写真の右側の2つある青色のトリマポットがAGBD/918-2のコントロールです。
 AGBD/918-2はもともとボリューム差のあるピックアップの音量を整えるような場合に有意義な装置のようですが、私の場合はボリュームポット前のローインピ化を目的として使いましたので、GAINツマミはちょい上げた位置(0でも良い)で前後とも揃えています。HUMPBACKのGAINツマミは0。出音はPUの個性そのままに、入手時のようなカリッカリに戻りました。

20240403c

 PUの底のスポンジは、長年、ホームセンターで入手できる黒色のウレタンフォーム(?!)を使っていました。今回は「すき間ふさぎテープ」を応用してみました。(これはイイカモ)

20240403d

 カリッカリの中高音とボリュームのある低音感。とてもイイのです。FENDER Steve Bailey6はカスタムショップではなく、高級な扱いではなかったと思うのですよ。私のFENDERへの関心はビンテージタイプのモデルに寄ってしまう傾向があるのですが、これを使ってみるとアメスタ的なモダンなモデルも悪くない・・・というか、イイんじゃないかと反省していまうのです。
 フレットレスの音としては、私個人の趣味としては、とにかく音像が明瞭ですばらしい。エポキシ塗ってないのに、エポキシ処理済のような音がします。指板に使われている材について、カタログにはエボニーとありますが、天然素材ではなく人工的な素材なのではないでしょうか。これは、私にはアリで、この指板の硬くて乾いた音が弾きやすくて気に入っています。スラップの音もたまらないです。

 私のFENDER Steve Bailey6の近況報告は以上です。

| | コメント (0)

2024/01/31

ERNIE BALL MUSICMAN Stingray Bass '2008

ERNIE BALLのシリアルナンバーデータベースによると
この個体はフルオリジナルのようだけど
そんなしっかりしたデータベースが存在すると
イジるのに覚悟がいる。

少し前の記事で紹介しました。イマサラなスティングレイベース。スティングレイは2本目。1本目は2010年に入手した1979年型で、その時にも「イマサラ」でした。この個体はネックが不安定であまり弾いていない。私は今59才。今年、いよいよ還暦で。45年間ず~っとベースを弾くことを趣味としていて、いろいろなカタチのベースをあれこれ弾いていながら、いまに何故、スティングレイなのか・・というコトについて説明が難しいのです。心の中を整理すると、スティングレイはちゃんと弾いたことが無かったから・・、〆として弾いておきたい、というところが正直なところかもしれません。

20240117a

 ボディ黒、ローズ指板の組み合わせです。2008年製。この個体は当然、中古なのですが、あまり弾かれていない。大事にされてきたような様子がある。しかし、私の手元に来る前は、きちんとした楽器店ような環境ではなかったこともあって、全体的に少々メンテナンスが必要でした。私の手元に来て、あれこれ調整して概ね戻りました。

 特にこの個体の問題は、湿気のある場所で放置されていたようで、中身の配線が錆びでボロボロでした。それでも音は出ていた。外観上ではジャック部の配線の錆び。危ういので、ジャックごと(ありがちなスイッチクラフトのステレオジャックヘ)変えました。この場合、電源の線について気を付ける必要があります。このスティングレイでは元々は(プラスチックモールドの)スイッチジャックで電源ホット線(+)がON/OFFするカタチです。ステレオジャックへの変更では、一般的にコールド(-)線をアースへ短絡することでONとなるカタチになります。
 ネットを見ると、このジャックを交換した例が目立つのですが、わざわざ交換するものでもないと思います。しかし、ジャックは消耗品なので、交換する時はプラスとマイナスを頭の中を整理しておきましょう。
 次に、フロントの金属のパネルを開けたのですよ。中身も全てオリジナルなのですが、電線が錆びていて基盤から伸びている線がポロポロ折れて切れて行くのです。ビニール被覆の中身まで錆びている。私は、結構な数の古いエレキギターを見てきたつもりで、こんな恐怖体験は初めてでした。幸い、基盤は問題なかったこと、そして板にB,W,Rなど配線の色を記したような記号がプリントされていたので、その通りに配線して戻りました。

 見た目ですね。ローズ指板と黒ボディ、黒いPGの組み合わせは、スティングレイに限らず、落ち着いた組み合わせでカッコイイもの。ネットで調べて見れば、これはレッチリのフリー風らしい。定番の組み合わせであって何ら違和感がある筈もない。これはこれでいいのですが、私としては、これは見た目、たぬきのお腹のような姿の”スティングレイ感”が乏しく、PGの色を強調したいと考えました。白でしょ。

20240117c

 ネットでリプレイスメントのPGをググると、すぐヒットしまして。そのまま白色(パーチメント??)をポチっとすると2日後にはポストに入っていました。純正ではないのが残念ですが、WD Music Productsの製品で、ぴったり合いました。取り付けたのが下です。

20240117b

 これで、遠目にもスティングレイだと判ることでしょう。黒色PGのカッコ良さも捨てがたいところですので、時々交換して気分転換を図りたいです。

 そして、出音の印象は、まず全体的に”じ~”っという誘電ノイズが気になります(この個体だけの問題かもしれない)。このノイズ対策にしばらく時間を費やしました。この様子については別途、機会があれば紹介しますが、要約すればシールドとそれに伴うアースを追加しただけ。トレブルをフルにすると若干の発信音のようなノイズが残るにしても、センター位置では気にならない位になりました。特にPU部のシールド対策は効果がありました。しかし、ここは、シールドすればするほど高音域が抑えられるような気がして微妙なところではあります。音は、1979年に比べて音量がデカい。スラップするにしてもトレブルはそんなに上げなくていい。ミッドは下げればドンシャリになるけれど、下げ過ぎるとスティングレイではなくなる感じです。

 楽器としては、今では当たり前なことなのでしょうが、この2008年の個体はネックが普通に安定しています。私の1979年製は大き目のリリーフ量だと考えてみても、弓のようなしなり具合で、とても落ち着いて演奏できないものでした。当時のmusicmanでも丈夫なネックの個体はあるらしいのですが、私の経験数では出逢ったことがありません。なので、普通に安定しているネックのスティングレイを弾いていると、夢のような気持ちになります。

| | コメント (0)

より以前の記事一覧